「加配保育士」も子どもにとって必要な声掛けと、必要な援助をする役割は同じです。しかし、障がい児保育ならではのポイントは存在します。次のことを意識してみましょう。

■障がいについての正しい知識と情報を得る
・保護者や前年度の職員から、子どもの様子や対応について聞き取る。
・本やセミナー、講演会で専門的な話を聞く。
・（通所していれば）児童デイの様子を見学する。
障がいについての知識を持っていたほうが、対応方法や保護者との相談時にも役立ちます。

■集団生活の中で支援を必要としている理由を探る
子どもが困っていることには必ず理由があります。
たとえば、「座れない」という行動一つにも、「ざわざわしている空間が苦手」「次の活動が予想できなくて不安」「ほかに気になるものがある」など、理由は子どもによってさまざまです。この理由が分かると、より子どもに合わせた対応ができるようになります。

■一人きりで考え込まず、相談しながらみんなで子どもに向き合う。
一人の子どもと常に向き合っていると「この対応でいいのかな？」と悩むこともあるでしょう。
子どもの様子は日常的にクラスの職員などに共有・相談し、たくさんの大人で関わっていくのがおすすめ。一人で抱えすぎないことが肝心です。

障がい児保育では、保護者との関わりも大きな意味を持ちます。うまくコミュニケーションが取れず、不安や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

■保護者が子どもの障がいについてどう捉えているのかを把握する。
障がい児保育を利用していても、保護者の認識や受け止め方にはばらつきがあります。
・障がいへの理解がなく、保育士などにすすめられて加配保育士を付けている人。
・子どもの様子が気になっているが、受け止められない人。
・支援を必要としている部分を、ハッキリと伝えて欲しい人。
・障がいについて専門的な知識を知りたい人。
保護者の気持ちと保育士の対応にズレがあると不信感が高まり、トラブルになる可能性があります。
まずは、日頃の会話などから保護者の認識を確かめておく必要があります。

■保護者の気持ちに寄り添う
保育士が一生懸命になるあまり「伝えよう」という気持ちばかりになってしまうと、保護者との気持ちのすれ違いが起こる恐れがあります。
そうならないためにも、まずはじっくり保護者と関係性を築くことを大切にしましょう。
保護者の不安な気持ちに寄り添いながら、子どもについての様子や支援が必要な面についてを伝えていくのがおすすめです。連絡ノートなどで、家での様子も聞き出していくのもいいですね。

障がい児保育・加配保育士は保育園に欠かせない存在です。
障がい児保育の経験は、保育士としてのスキルを高め、転職や自分の子育てにも役立つものとなります。
知識がなければ加配保育士になれないということではありません。大切なのは、子どもと保護者に向き合う気持ちです。

■加配保育士に向いているスキル・性格など
・子どもや保護者に寄り添う気持ちを持てる人。
・長い時間を掛け、ゆっくり成長を見守れる人。
・子どもとじっくり向き合える保育をしたい人。

担当を持つという形ではありますが、関わりや声掛けは保育園全体で行っていくものです。先輩保育士がどのように接しているかを、研究してみるのもいいかもしれません。
保育士同士でうまく連携をしていくためには、保育園全体の雰囲気や障がい児保育への理解度も大切です。

もし、今の保育園の人間関係や保育の連携に不安を感じるなら、転職も視野に入れてみましょう。
転職をする際は、どのような障がい児保育を行っているのかなども見るべきポイントの一つ。就職前の見学などで確かめてみて下さいね！

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