連絡帳の役割は、保育園での子どもの様子を伝えるものです。低年齢児の場合は、排せつや食事の内容を伝える日誌としての役割も兼ねています。
ですが、実際には子どもの様子にかかわらず、さまざまな内容を伝え合うツールとなっていますよね。

・家庭での様子
・必要な情報の連絡手段
・保護者の悩みや子どもの相談

登園やお迎えの時間はゆっくり話せないことも多いので、連絡帳は保護者と信頼関係を結ぶ糸口の1つ。また、預けている間、子どもがどう過ごしているのか分かると、保護者は安心した気持ちになります。思った以上に、連絡帳の担う役割は大きいのです。

連絡帳には保護者が知らない場面や状況を説明するので、文字でいかに伝えるかが重要です。そのためのコツをいくつかお伝えします。

■様子のエピソードはより具体的に。
例）今日は公園に行き、楽しそうに遊んでいました。
→公園では、〇〇ちゃんと遊んでいました。ジャングルジムをお家に見立て、おままごと遊びを楽しんでいます。〇〇ちゃんはお母さん役で家事に大忙しでした。
誰が、いつ、何で、何をして、どうだったかという情報をしっかり入れて記入すると、その子の様子や気持ちが伝わりやすくなります。

■保護者が知りたがっている様子を伝えるのもおすすめ。

例）保護者「お友だちとどう過ごしているのか気になる……」の場合。
→お友達だちが泣いていることに、すぐに気付いてくれた〇〇くんは、どうして泣いているのかを聞いてくれました。一緒に遊びたいんだと分かり、自分の遊びに誘ってくれています。お友だちの気持ちに寄り添う姿が見られました。
普段の会話などで何気なく出た保護者の悩みや、気持ちを汲んだ内容にすると、保護者との関係性も深まりやすくなります。

■何かのお願いをするときには、特に優しい言葉を意識する。
例）プリントの提出日が過ぎたので出してください。
→お手数ですが、〇日までに提出をよろしくお願いいたします。
表情や身振りなどがない文字だけの表現なので、誤解のないよう丁寧な言い回しに気をつけてくださいね。

「書くことが浮かばない……」を無くすためのポイント
何を書いていいのか分からない……と、思うこともありますよね。数十人の様子を毎日把握するのは大変なことです。そのような時に、おすすめの考え方は次の通り。

■成長の部分やかわいらしい部分があれば優先するが、大きな出来事でなくてもOK。
（「笑っていた」→「大きな口を開けて笑う姿がかわいらしかったです」など表現を加えるだけでも良さが伝わります）

■大きな流れよりも、ピンポイントな瞬間に絞るのがおすすめ。
（「お買い物ごっこをしました」→「お金のやり取りが楽しかったようです」の方がイメージしやすいです）

また、その日の様子にこだわらず、最近の様子で印象に残っている姿で印象に残ることがあれば、その時の様子をお伝えしましょう。保護者にとってはいつの話であっても、子どもの素敵なエピソードが聞けると嬉しいものです。

保護者との関係性を築くものとして大事な連絡帳ですが、使い方によってはトラブルにもなりかねないので注意です。どのような事に気を付けるいいのでしょうか。

＜注意点＞
・フランクになりすぎない（言葉遣い・顔文字など）
・連絡帳に頼りすぎない（トラブル・怪我の報告は必ず直接か電話でも伝える）
・相談があった時は、流さずに答える
・ポジティブな内容を心がける
・話をおおげさにせず、事実を伝える

連絡帳の使用頻度は保育園によってまちまちですが、負担の大きい業務であることは事実です。
連絡帳は保育士と保護者にとって信頼関係を築く大切なコミュニケーションツールでもあり、子どもの成長記録でもあります。慣れないうちは苦手意識を感じますが、繰り返し経験することで上達していくので、積極的に活用していきましょう。

保護者と信頼関係をつくるのは保育士として大切な業務の1つ。保護者に頼りにされることでやりがいにも繋がります。
連絡帳や直接の会話など、保護者とのコミュニケーションを重視する保育園はたくさんあるので、自分に合った保育園を探してみてくださいね！

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