【年間計画案の書き方】0歳児(乳児)保育のポイントと文例
春になり新年度が始まる時期に、保育士が作成する年間計画案。子どもの様子や成長に合わせた案を立て、1年間の保育を行う上でとても重要な指針となります。
今年初めて年間計画案を作成する新人保育士や、クラス担任となって経験の浅い保育士の中には、「どう書けばいいの?」と悩む方も少なくありません。前年度の様子なども含め、具体的な書き方や取り上げるポイントなどを抑えたいですね。
今回は、0歳児クラスの年間計画案の書き方をご紹介していきます!
今年初めて年間計画案を作成する新人保育士や、クラス担任となって経験の浅い保育士の中には、「どう書けばいいの?」と悩む方も少なくありません。前年度の様子なども含め、具体的な書き方や取り上げるポイントなどを抑えたいですね。
今回は、0歳児クラスの年間計画案の書き方をご紹介していきます!
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0歳児の年間計画案
0歳児はまだ年齢が小さく、家庭以外の空間に慣れるまでに時間が掛かります。その為、部屋や保育士に安心して生活できることが大切です。年齢に合わせた要求を十分に汲み取り、愛着関係を築けるとよいですね。
また、触感や視覚、聴覚、嗅覚などさまざまな刺激に興味を持ち、実際に触れることで覚えていきます。興味に合わせて移動しやすく、全身や指先を使った動きを経験できる部屋作りで遊びに誘いかけていきましょう。
※0歳児クラスの子どもについての詳しい記事はこちら
保育園の年間計画案は、1年間を4期に分けねらいを作成するのが一般的です。しかし、0歳児は成長や発達のスピードが早く、生まれた月によって子どもの様子に大きな違いがあります。そのため、季節ごとのねらいの他に、月齢に合わせた視点も必要になるのが0歳児クラスの大きな特徴です。
年間計画案の具体例をいくつかご紹介します。
■年間目標(ねらい)
・一人ひとりの生活リズムを大切に、心地よく過ごせるように配慮する。
・五感を刺激できる環境を整え、見る、聞く、触るなどの経験を促す。
・落ち着いた環境の中で、情緒の安定した生活ができるよう、信頼関係や愛着関係を築く。
・個人差に配慮しつつ、歩行や発語への興味を育んでいく。
4期に分けたねらい
4期に分かれたねらいは、4月〜3月までの大まかなねらいを作成します。
■1期(4月~5月)
1人ひとりの生理的・心理的欲求を把握し、無理なく新しい環境になれるよう配慮する。
■2期(6月~8月)
保育者や身近な人と一緒に過ごす楽しさ・喜びを感じ、表情や発声などで気持ちを表現する。また、気持ちを通わせた経験を積んでいく。
■3期(9月~12月)
個人の成長段階に配慮しながら、全身で体を使う運動を取り入れていく。
■4期(1月~3月)
安心できる環境の中で、色々な物や素材に触れ、感覚を楽しめる遊びを用意する。
月齢・年齢に分けたねらい
月齢ごとの子どもの成長を把握すると、それに伴ったねらいを作成できます。
3ヵ月~5ヵ月
■子どもの様子
・首が座る。
・睡眠と目覚めを繰り返しながら、徐々に起きている時間が長くなってくる。
・目の前の物や自分の手指などをかざしてみたり、音のする方へ目線を向ける。
■ねらい
・排尿や排便の回数に応じてオムツを取り替えてもらい、快適に過ごす。
・安全な場所で寝返ったり、体を自由に動かす。
・保育者の語りかけや歌いかけに反応し、目で追ったり笑ったりする。
6ヵ月~8ヵ月
■子どもの様子
・寝返りやお座り、ハイハイをする。
・人見知りをする。
・見たものを振ったり口に運んだりしながら、音や感触を確かめる。
・離乳食が始まる。
■ねらい
・部屋の環境や保育士に慣れ、安心して過ごす。
・甘えや不安、要求を身振り、泣き声などで表現する。気持ちを大人に受け止めてもらえる経験を重ねる。
・人や物に興味を持ち、移動したり、手を伸ばしたりする。
9ヵ月~12ヵ月
■子どもの様子
・興味のある物や人を指差し、「あー」「かー」「んー」などの発語が見られる。
・食べることに意欲が高まり、手や指でつまんで自分で口に運ぶ様子が増える。
・睡眠のリズムが整ってくる。
・伝い歩きやつかまり立ちなど、移動に対して積極的になる。
■ねらい
・興味や発達に合わせて体をたくさん動かし、触る・近づくなど探索行動を経験する。好奇心が満たされる。
・安心できる大人と触れ合う遊びや音楽を楽しむ。楽しい気持ちを通わせる。
13ヵ月~15ヵ月
■子どもの様子
・歩行がしっかりしてくる。
・離乳が完了し、自分でフォーク・スプーンを使う様子や、コップを持つ姿が見られる。
・大人が声を掛けると返事をしたり、手を上げたりして反応を返す。
・「まま」「わんわん」などと意味のある単語を話す。
■ねらい
・大人に見守られながら、興味のある遊びを自分から繰り返し行う。
・喃語や単語、指差しなどで自分の要求をさまざまな方法で伝えようとする。発した要求を大人にくみ取ってもらう経験を積む。
・つまむ、叩く、引っ張るなど、手や指を使った遊びを楽しむ。
16ヵ月~2歳未満
■子どもの様子
・他の子どもへの興味が出てくる。
・食事や着替えなど、「自分でやりたい」という自我が芽生えてくる。
・わらべ歌や簡単な手遊びが楽しめるようになり、リズムや音に合わせて体を動かす様子が増えてくる。
■ねらい
・さまざまな感情を表現し、気持ちが十分に受け止められる経験を積む。
・自分で出来た経験を自信につなげ、より意欲を高めていく。
・他の子どもと一緒に遊ぶ楽しさを感じる。
年間計画案を作成するときのポイント
0歳児クラスの場合は、特に家庭との連携が大切になってきます。年間計画案にも家庭への支援も盛り込みながら作成してみてくださいね。
その他には次のような方法もおすすめです。
・前年の指導計画案やテンプレートを確認してみる。
・書きやすい部分から少しずつ取り掛かる。
・季節の特徴や、行事も取り入れた内容を加える。
1年先までの指導計画を作成するのは、新卒の保育士や転職したばかりの頃は時間が掛かる業務です。しかし、保育園の多くが同じ形式で毎年行っているので、一度流れと書き方のポイントを掴んでしまえば、少しずつコツを覚えていきます。保育園の方針や形式によって書き方は少しずつ異なりますので、不安に感じる部分は先輩や同僚に相談してみてくださいね!
また、ICTシステムを導入している保育園では、ある程度テンプレート化されているので業務負担を軽減できます。転職先を探す際は、ICTシステムについての視点を持って調べてみるのもおすすめです。自分なりの方法や保育園の方針、ICTシステムなどを取り入れながら、納得のいく年間指導案を目指しましょう。
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