【年間計画案の書き方】3歳児保育のポイントと文例
春になり新年度が始まる時期に、保育士が作成する年間計画案。子どもの様子や成長に合わせた案を立て、1年間の保育を行う上でとても重要な指針となります。
今年初めて年間計画案を作成する新人保育士や、クラス担任となって経験の浅い保育士の中には、「どう書けばいいの?」と悩む方も少なくありません。前年度の様子なども含め、具体的な書き方や取り上げるポイントなどを抑えたいですね。
今回は、3歳児クラスの年間計画案の書き方をご紹介します♬
今年初めて年間計画案を作成する新人保育士や、クラス担任となって経験の浅い保育士の中には、「どう書けばいいの?」と悩む方も少なくありません。前年度の様子なども含め、具体的な書き方や取り上げるポイントなどを抑えたいですね。
今回は、3歳児クラスの年間計画案の書き方をご紹介します♬
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3歳児の年間計画案
3歳児の子どもは運動能力が発達し、基本的な動作を身に着けていきます。さまざまな体の動かし方、楽しみ方ができるようになり、好きな遊びはどんどん繰り返す年齢です。「〇〇が出来た」という達成感を感じられるよう、自分でやりたい気持ちを尊重したり褒めたりする関わりが大切と言えるでしょう。
お友だちとのやり取りも増えていきますが、自分と相手の状況を考えたり折り合いをつけたりすることは難しいので、大人の仲立ちが必要です。それぞれの気持ちをくみ取りながら、適切な言葉や行動を伝えることを意識してみてくださいね。
※3歳児クラスの子どもについての詳しい記事はこちら
保育園の年間計画案は、1年間を4期に分けねらいを作成するのが一般的です。それでは、年間計画案の具体例をいくつかご紹介します。
■年間目標
・基本的な生活習慣が整い、身の回りのことをすすんで行おうとする。
・身近な大人やお友だちとの関わりを通して、自分なりの表現で相手に気持ちを表現する。
・保育園での生活に慣れ、一日の流れに沿って安心して生活する。
・好きな遊びや遊具を見つけ、自ら繰り返し楽しむ。
・遊びの中の簡単なルールを覚え守ろうとする。
4期に分けたねらい
4期に分かれたねらいは、4月~3月までの大まかなねらいを作成します。それぞれで思い浮かぶ子どもの姿からねらいを立てていくとスムーズです。こちらでは、ねらいに向かっていくために、どのような環境が好ましいか、保育士の関わりなどもピックアップしてお伝えします。
1期(4月~5月)
■子どもの様子
・新しい環境に期待感のある子どもと、不安な様子の子どもが混在する。
・保育園での生活に少しずつ慣れ、大人やお友だちとの関わりが増えていく。
・大人に手助けされながら、トイレで排泄をする。
・散歩や屋外での活動で、自然や遊具に興味を持つ。
■ねらい
・園生活の流れを覚え、好きな遊びや落ち着く場所を見つけながら、心を安定させる。
・保育士やお友だちに親しみを持ち、一緒に遊んだり真似したりしながら、やり取りを増やしていく。
・挨拶や返事など、生活に必要な言葉のやり取りを覚えていく。
・春の生き物や動物に興味を持つ。
■環境設定や保育士のかかわり
・排泄に不安のある子どもには付き添ったり、保育士が尿意を確認したりしながら、安心して排泄できるように配慮する。
・遊具やおもちゃの使い方、生活の流れを言葉の説明や実際にやってみせるなどの方法で、分かりやすく伝えていく。
・屋外にある植物や虫に興味が高まるように、見せたり触れたりする機会を持つ。
2期(6月~8月)
■子どもの様子
・保育士への信頼関係が高まり、分からないことを聞いたり甘えたりする姿が増えていく。
・お友だちとの関わりが増え、一緒に遊ぶことが楽しいと感じる。一方で、気持ちのぶつかり合いも多くなる。
・難しいところは手伝ってもらいながら、服の着脱を自分でやろうとする。
・水遊びや泥遊びなど、ダイナミックな遊びを楽しむ様子がある。
■ねらい
・身近な大人に安心して、不安や喜びなどの感情を言葉で伝える。上手く表現できない時は、代弁してもらいながら、自分の気持ちに合った表現を知る。
・生活や遊びの中で、約束や決まりがあることを覚えて守ろうとする。
・おもちゃの片付けや服の着脱など、身の回りのことに意欲的に向かう。
・水や泥の感触や気持ちよさを感じ、外での遊びならではの開放感を得る。
■環境設定や保育士のかかわり
・自分の気持ちを伝えやすいような雰囲気や会話のトーンで話しかけ、ゆっくりと会話する。
・保育士が遊びに加わって子ども同士のやり取りを仲介し、一緒に遊ぶ楽しさを感じられるようにする。
・服の着脱や片付けでは、一人ひとりの個人差に合わせて十分な時間を確保する。
・屋外での遊びを安全に行えるよう、用具の準備や点検を行っておく。
3期(9月~12月)
■子どもの様子
・保育士やお友だちと一緒に簡単なルールのある遊びを行う。
・音楽に親しみを感じ、体を動かすことを楽しむ。
・同じおもちゃや遊具で遊ぶお友だちとのやり取りが増えてきている。気の合うお友だちができる半面、ぶつかり合いも増える。
■ねらい
・遊びの中のルールを覚え、自分なりに守りながら楽しめる。
・音に合わせたダンスや、リズム運動を楽しむ。
・気の合う子や同じ場所にいるお友だちと、言葉でやりとりを行う。
■環境設定や保育士のかかわり
・合図に合わせた動きや順番を守るなどの簡単なルールは、楽しい雰囲気の中で伝え、守れた時にはしっかりと褒めて伝えていく。
・子どもが自分で体を動かしたくなるような音楽や遊びの機会を作り、興味を持ってもらう。
・物の取り合いやけんかの際は、それぞれの思いを受け止め気持ちを代弁したり、相手に伝えることで橋渡しを行う。
4期(1月~3月)
■子どもの様子
・手洗いうがい、給食の準備、排泄などの手順が分かり、自分から行動に移す。
・おままごとや〇〇ごっこなどのイメージを共有して遊ぶ姿が増える。
・行事などで異年齢との関わりが多くなってくる。
・新学期への移行を楽しみにする子どもがいる。
■ねらい
・一日の流れを覚え、自ら進んで行う。出来たことを褒められて自信を持つ。
・経験したことや楽しいこと、困ったことなどをお友だちや保育士に言葉で伝えようとする。
・お友だちと簡単なイメージを共有しながら、ごっこ遊びや会話を楽しむ。
■環境設定や保育士のかかわり
・身の回りのことを自分で出来たと実感しやすいように、一緒に喜んだり「出来たね」と認めたりして、次への意欲に繋げていく。
・子ども同士でイメージを共有しやすいように、おままごとの食べ物やエプロンなど、分かりやすいモチーフや道具を用紙しておく。
年間計画案を作成するときのポイント
言葉の理解や社会性が大きく育つ3歳児ですが、自己主張が強い時期でもあるので、お友だちとのぶつかり合いも増えることが予想されます。保育士が間に入りながら、相手に伝える経験ややり取りを促していけると良いですね。
3歳児クラスになると、発表会や運動会のような行事に取り組む機会も増えていきます。期待感を持って楽しめる子や、反対に不安を感じる子、それぞれに合った声掛けや関わりを大切に「出来た」という自信に繋げて行きましょう。
年間計画案を立てる際は、次のような方法もおすすめです。
・前年の指導計画案やテンプレートを確認してみる。
・書きやすい部分から少しずつ取り掛かる。
・季節の特徴や、行事も取り入れた内容を加える。
1年先までの指導計画を作成するのは、新卒の保育士や転職したばかりの頃は時間が掛かる業務です。しかし、保育園の多くが同じ形式で毎年行っているので、一度流れと書き方のポイントを掴んでしまえば、少しずつコツを覚えていきます。保育園の方針や形式によって書き方は少しずつ異なりますので、不安に感じる部分は先輩や同僚に相談してみてくださいね!
また、ICTシステムを導入している保育園では、ある程度テンプレート化されているので業務負担を軽減できます。転職先を探す際は、ICTシステムについての視点を持って調べてみるのもおすすめです。自分なりの方法や保育園の方針、ICTシステムなどを取り入れながら、納得のいく年間指導案を目指しましょう。
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