【年間計画案の書き方】5歳児保育のポイントと文例
春になり新年度が始まる時期に、保育士が作成する年間計画案。子どもの様子や成長に合わせた案を立て、1年間の保育を行う上でとても重要な指針となります。
今年初めて年間計画案を作成する新人保育士や、クラス担任となって経験の浅い保育士の中には、「どう書けばいいの?」と悩む方も少なくありません。前年度の様子なども含め、具体的な書き方や取り上げるポイントなどを抑えたいですね。
今回は、5歳児クラスの年間計画案の書き方をご紹介します♬
今年初めて年間計画案を作成する新人保育士や、クラス担任となって経験の浅い保育士の中には、「どう書けばいいの?」と悩む方も少なくありません。前年度の様子なども含め、具体的な書き方や取り上げるポイントなどを抑えたいですね。
今回は、5歳児クラスの年間計画案の書き方をご紹介します♬
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5歳児クラスの特徴
5歳児の子どもは理解力やコミュニケーション力が大きく伸びる時期です。自分の思いや考えを相手に伝える力とともに、周りの話を聞く能力も育っていきます。子ども同士での相談や協力し合えるような機会を促していく関わりが大切です。トラブルやけんかの際は、どのように解決したらいいのかを子どもたちと一緒に相談してみましょう。
また、行事では少し頑張りが必要な目標があることで、目的意識がぐんと高まり意欲的な姿が見られます。一人ひとりの能力に合わせた課題を設定し、挑戦を繰り返すなかで達成感へと繋げていきましょう。
保育園生活が残り1年となった5歳児クラスでは、年間計画案にも、身辺自立や時間の概念、挨拶など、就学に向けたねらいも大きなポイントになるでしょう。
5歳児クラスの年間計画案
保育園の年間計画案は、1年間を4期に分けねらいを作成するのが一般的です。それでは、年間計画案の具体例をいくつかご紹介します。
■年間目標
・一日の流れに見通しを持ち、積極的に園生活を送る。挨拶やお礼など、場面に合った言葉や心構えを身に着ける。
・目標に向かって、お友だちと協力したり役割分担しながら取り組む。お友だちと一緒に達成した充実感や満足感を得る。
・園生活の中で数量や文字、時計を身近なものとして取り入れていく。
・お友だちとの関わりや保育士の問いかけに対して、自分なりに考えた思いや考えを伝える。
4期に分けたねらい
4期に分かれたねらいは、4月~3月までの大まかなねらいを作成します。それぞれで思い浮かぶ子どもの姿からねらいを立てていくとスムーズです。こちらでは、ねらいに向かっていくために、どのような環境が好ましいか、保育士の関わりなどもピックアップしてお伝えします。
1期(4月~5月)
■子どもの様子
・年長児になった事を自覚し、意気込む姿が見られる。一部の子どもは環境の変化に戸惑っている。
・お友だちと一緒に戸外に出て活発に遊ぶ。
・身近な動植物に興味を持ち、触ったり世話をしたがる。
・新入園児や年下の子どもを気遣う様子が見られる。
■ねらい
・年長になった喜びや意気込みを感じながら、安心して過ごす。
・興味を持った動植物を飼育・栽培し、成長していく過程を実際に体験する。
・新年度に戸惑うお友だちや年下のお友だちの様子を気遣い、必要な手助けをする。
■環境設定や保育士のかかわり
・喜びや不安、一人ひとりが感じている気持ちを受け止める。
・活動の流れに合わせてどう動くのかを判断したり、自分の事を主体的にできるように、個々のペースに合わせて促していく。
・動植物に興味を抱きやすいよう、図鑑や絵本を見る機会を持つ。実際に飼育や栽培が出来るような環境を整える。
2期(6月~8月)
■子どもの様子
・当番活動をすすんで行う。複数人で協力が必要な場合には、話し合って解決しようとする。
・夏ならではの遊びに意欲的に向かう。遊び方の工夫や少し難しいことへの挑戦を試みる。
・運動遊びの他に、勝敗のあるゲーム遊びを楽しめるようになる。
■ねらい
・お友だちと互いに思いを伝え合いながら、活動をすすめる。相手の意見に耳を傾け、気持ちをくみ取る。
・自然物や身近な環境に触れ、考えたり試したりしながら、遊びに充足感を感じる。
・ルールのある遊びに、「勝ちたい」などの目的意識を持って向かう。悔しさを自分の中で受け止め、もう一度挑戦してみる。
■環境設定や保育士のかかわり
・子ども同士の関わりを尊重し、話し合いや共感し合う機会を作っていく。
・泥や水などの性質を伝えながら、子どもなりの工夫や遊び方を見守る。
・失敗してもあきらめず何度も挑戦する大切さを感じられるように、自信を持てる声掛けや励ましを行う。
3期(9月~12月)
■子どもの様子
・運動会や発表会などの行事を通してクラスの仲間意識が高まり、お友だちと一緒に遊ぶ姿が増える。クラスの中でも特に気の合うお友だちが出来る。
・童話のストーリーや童謡の歌詞に興味を持つ。
・室内外で体を使って遊ぶ。ダイナミックな遊びが好きな子どももいれば、手先を使う遊びに夢中になる子どももいる。
■ねらい
・お友だちと一緒に遊びの計画を立てたり、必要なものを用意したりして、遊びを充実させる。
・童話や詩などの世界観から、登場人物の状況や気持ちをイメージする。
・さまざまな運動遊びに興味を持ち、競い合ったり応援したりしながらめいっぱい遊ぶ。
■環境設定や保育士のかかわり
・子ども同士での相談が難しいときは、必要な言葉を足したり言い替えたりしながら、自分で伝えるという経験に繋げていく。
・絵本の読み聞かせが終わった後に、子どもたちがどう感じたか、感想や意見を伝え合う時間を作る。
・興味や運動能力の高まりに合わせ、ダイナミックな動き方が出来る遊びの場を提供する。遊具の安全性を再確認しておく。
4期(1月~3月)
■子どもの様子
・時間の流れを意識するようになる。
・前に立つ保育士に注目し、短い話を最後まで聞く姿が見られる。
・手洗いやうがいを自主的に行う。自分の体調不良を大人に言葉で伝える。
・就学に向けて、期待と不安が入り混じる様子がある。
■ねらい
・一日の予定や活動の開始・終了時間を時計を見て理解し、見通しを持って生活する。
・場面に合った声の大きさや言葉の使い方を意識する。
・冬の生活習慣や健康管理の大切さを再確認する。自分から風邪などの予防に努めようとする。
・残り少ない保育園生活を、お友だちと一緒に過ごしながら安心して過ごす。
■環境設定や保育士のかかわり
・活動の区切りに時計を活用していく。印やマークを用いて「長い針がマークのところになったらお片付け」などと分かりやすく伝える。
・声のボリュームを数字で表し「1の声で話そう」「今はどんなボリュームがいいかな?」などと、自分で考えられるような声掛けをしていく。
・風邪やウイルスなどの情報を伝え、自分なりの予防意識や関心へと繋げていく。
・一人ひとりの頑張りや良さを具体的に知らせ、本人の自信を高めていく。保育園生活の成長を保護者とも共有する。
年間計画案を作成するときのポイント
お友だちとの関わりがさらに深まる5歳児クラスは、何かトラブルが合った場合にもどんなルールにすると良いのか、もっと楽しめる方法はないか、話し合う様子が増えてきます。話し合う子どもの気持ちを尊重しつつ、意思表示の苦手な子どもへのフォローも忘れずにしたいですね。
卒園後はもっと大きな集団生活へと移行していく5歳児。慣れ親しんだ保育園生活の中でできたことをたくさん認められ、「自分は〇〇ができる」という自信をたくさん積み上げましょう。
年間計画案を立てる際は、次のような方法もおすすめです。
・前年の指導計画案やテンプレートを確認してみる。
・書きやすい部分から少しずつ取り掛かる。
・季節の特徴や、行事も取り入れた内容を加える。
1年先までの指導計画を作成するのは、新卒の保育士や転職したばかりの頃は時間が掛かる業務です。しかし、保育園の多くが同じ形式で毎年行っているので、一度流れと書き方のポイントを掴んでしまえば、少しずつコツを覚えていきます。保育園の方針や形式によって書き方は少しずつ異なりますので、不安に感じる部分は先輩や同僚に相談してみてくださいね!
また、ICTシステムを導入している保育園では、ある程度テンプレート化されているので業務負担を軽減出来ます。転職先を探す際は、ICTシステムについての視点を持って調べてみるのもおすすめです。自分なりの方法や保育園の方針、ICTシステムなどを取り入れながら、納得のいく年間指導案を目指しましょう。
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