【保育士の処遇改善手当とは】今後の賃金アップに期待!
世間で話題となっている待機児問題を解決するため、政府は全国的に不足している保育士の処遇改善を行ってきました。しかし、この処遇改善は中身が複雑で、実際にどのような仕組みなのかがわかりにくい制度となっています。
今回は、これまで導入されてきた保育士の処遇改善についてと、現在導入されている制度についてご説明します。保育士の賃金アップ、またキャリアアップがどのように行われているのか確認してみましょう。
今回は、これまで導入されてきた保育士の処遇改善についてと、現在導入されている制度についてご説明します。保育士の賃金アップ、またキャリアアップがどのように行われているのか確認してみましょう。
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保育士の処遇改善の推移と現状は?
これまで政府は保育士の処遇改善のために、平成27年度に「処遇改善等加算Ⅰ」、平成29年度に「処遇改善等加算Ⅱ」を導入。
賃金アップやキャリアアップの制度が整うにつれ、保育士の年収は少しずつ上向き傾向にあります。
また、待機児童の多い都市部をはじめ、自治体によっては家賃補助が出るところも増えてきていますよ。
「処遇改善等加算Ⅰ」とは、勤続年数で賃金が上がっていく制度
処遇改善等加算Ⅰは、非常勤も含む全職員(調理師や栄養士、園長・副園長まで含まれる)が対象となります。
処遇改善の中身は「基礎分」「賃金改善要件分」「キャリアパス要件分」の3つで成り立ち、職員の平均勤続年数が上がっていくにつれて、全員の賃金が上がっていく仕組みです。
「基礎分」に関しては平成27年度に導入されて以降年々少しずつ上乗せされ、令和元年の時点で12%(約36,000円)上がっていますよ。
「処遇改善等加算Ⅱ」とは、専門性を高めながら賃金を上げていく制度
処遇改善加算Ⅱは、勤続している職員のスキルアップしながら、役職に応じて賃金をプラスしていく制度です。
制度が導入されると同時に、新たな役職が追加されました。
■「副主任保育士」「専門リーダー」の新設
「副主任保育士」と「専門リーダー」が新設され、【月額40,000円アップ】を実施するとしています。
条件は「保育士として7年以上の経験年数」と「キャリアアップ研修4分野終了」です。
※現在の人数上限は「園長・主任保育士を除く保育士等全体の概ね1/3」までとなっています。また、令和2年度からひとり分(4万円)以外の配分を「職務別リーダー」へと配分可能になりました。
■「職務分野別リーダー」の新設
若手の人材確保として「職務分野別リーダー」が新設され、【月額5,000円アップ】を実施するとしています。
条件は「保育士として3年以上の経験年数」と「職務分野研修終了」です。こちらも人数の上限があり、園長・主任保育士等を除く約5分の1が対象とされています。
※現在、「副主任保育士」「専門リーダー」の分配分を「職務分野別リーダー」へ分けられるようになったため、月額5,000円以上の賃金アップが可能になりました。
■東京都は更に44,000円アップ
東京都は、待機児童数が全国最多という背景から、H27年から「保育士キャリアアップ補助金」として、民間事業者を対象に補助金を交付してきました。
初めは21,000円だった補助金額も、H29年にはさらに23,000円が上乗せされ、保育士1人につき【44,000円アップ】となりました。
そのままの金額が保育士に支払われるものではありませんが、大きな前進と言えるでしょう。
自治体独自で行われている家賃補助で、生活費をコンパクトに
保育士の処遇改善は、待機児童の数が多い自治体ほど積極的な動きが見られます。
東京、横浜など都市部を中心に、家賃補助として20,000円~82,000円ほどの手当が出るところも増えています。
ただし、自治体によって補助金の金額や取り組みに温度差がある傾向です。
賃金アップやキャリアアップの制度が整うにつれ、保育士の年収は少しずつ上向き傾向にあります。
また、待機児童の多い都市部をはじめ、自治体によっては家賃補助が出るところも増えてきていますよ。
「処遇改善等加算Ⅰ」とは、勤続年数で賃金が上がっていく制度
処遇改善等加算Ⅰは、非常勤も含む全職員(調理師や栄養士、園長・副園長まで含まれる)が対象となります。
処遇改善の中身は「基礎分」「賃金改善要件分」「キャリアパス要件分」の3つで成り立ち、職員の平均勤続年数が上がっていくにつれて、全員の賃金が上がっていく仕組みです。
「基礎分」に関しては平成27年度に導入されて以降年々少しずつ上乗せされ、令和元年の時点で12%(約36,000円)上がっていますよ。
「処遇改善等加算Ⅱ」とは、専門性を高めながら賃金を上げていく制度
処遇改善加算Ⅱは、勤続している職員のスキルアップしながら、役職に応じて賃金をプラスしていく制度です。
制度が導入されると同時に、新たな役職が追加されました。
■「副主任保育士」「専門リーダー」の新設
「副主任保育士」と「専門リーダー」が新設され、【月額40,000円アップ】を実施するとしています。
条件は「保育士として7年以上の経験年数」と「キャリアアップ研修4分野終了」です。
※現在の人数上限は「園長・主任保育士を除く保育士等全体の概ね1/3」までとなっています。また、令和2年度からひとり分(4万円)以外の配分を「職務別リーダー」へと配分可能になりました。
■「職務分野別リーダー」の新設
若手の人材確保として「職務分野別リーダー」が新設され、【月額5,000円アップ】を実施するとしています。
条件は「保育士として3年以上の経験年数」と「職務分野研修終了」です。こちらも人数の上限があり、園長・主任保育士等を除く約5分の1が対象とされています。
※現在、「副主任保育士」「専門リーダー」の分配分を「職務分野別リーダー」へ分けられるようになったため、月額5,000円以上の賃金アップが可能になりました。
■東京都は更に44,000円アップ
東京都は、待機児童数が全国最多という背景から、H27年から「保育士キャリアアップ補助金」として、民間事業者を対象に補助金を交付してきました。
初めは21,000円だった補助金額も、H29年にはさらに23,000円が上乗せされ、保育士1人につき【44,000円アップ】となりました。
そのままの金額が保育士に支払われるものではありませんが、大きな前進と言えるでしょう。
自治体独自で行われている家賃補助で、生活費をコンパクトに
保育士の処遇改善は、待機児童の数が多い自治体ほど積極的な動きが見られます。
東京、横浜など都市部を中心に、家賃補助として20,000円~82,000円ほどの手当が出るところも増えています。
ただし、自治体によって補助金の金額や取り組みに温度差がある傾向です。
保育士の処遇改善の問題点とは?
処遇改善により保育士の給与アップのための手当は増えてきていますが、以下のような問題点が見られます。
●地域格差が課題
保育士としては、できれば処遇改善に積極的な地域で働きたいと考えるでしょう。
自治体の格差が生じると、保育士が地方や都内周辺から東京に流入してしまうかもしれません。保育士の処遇改善は全国的に足並みをそろえて前進していくという、良い波及効果を期待したいものです。
●補助金の使い道は園次第
また、処遇改善の補助金は国や自治体から保育園にまとめて一括で支給されるので、補助金の使い道は園の経営者に委ねられています。
中には不正な使い道をする園も見受けられるため、自治体側もチェック体制を強化し始めています。
もらえるべき手当てについては園に確認してみましょう。
■キャリアアップの対象となっていても、受講できない場合がある
キャリアアップ研修で新設された役職には人数制限があり、対象になる保育士全員が受けられるわけではありません。また、保育園によっては、キャリアアップ研修を受講していないケースも。
今後キャリアアップを目指す場合は、就職を決める前に、キャリアップ研修を実施しているかしっかり確かめておきましょう。
●地域格差が課題
保育士としては、できれば処遇改善に積極的な地域で働きたいと考えるでしょう。
自治体の格差が生じると、保育士が地方や都内周辺から東京に流入してしまうかもしれません。保育士の処遇改善は全国的に足並みをそろえて前進していくという、良い波及効果を期待したいものです。
●補助金の使い道は園次第
また、処遇改善の補助金は国や自治体から保育園にまとめて一括で支給されるので、補助金の使い道は園の経営者に委ねられています。
中には不正な使い道をする園も見受けられるため、自治体側もチェック体制を強化し始めています。
もらえるべき手当てについては園に確認してみましょう。
■キャリアアップの対象となっていても、受講できない場合がある
キャリアアップ研修で新設された役職には人数制限があり、対象になる保育士全員が受けられるわけではありません。また、保育園によっては、キャリアアップ研修を受講していないケースも。
今後キャリアアップを目指す場合は、就職を決める前に、キャリアップ研修を実施しているかしっかり確かめておきましょう。
処遇改善の新政策をチェック!
女性の社会進出を促し子育て支援をより手厚くするために、政府は令和元年10月より、幼児教育の無償化を導入しました。
しかし、待機児童問題を抱えている家庭からは「教育の無償化よりも保育園に入りやすくして欲しい!」という声が多く上がっています。優先すべきはやはり「待機児童の解消」と、そのための「保育士の確保」なのです。
政府は、これまでも保育士確保のために処遇改善を行ってきましたが、現在も保育士不足は続いています。
キャリアアップ研修は政府も積極的に受講を促しているので、これからも制度内容が変わっていくことが期待できます。
今後も政府の打ち出す処遇改善の動きを小まめにチェックしましょう。
しかし、待機児童問題を抱えている家庭からは「教育の無償化よりも保育園に入りやすくして欲しい!」という声が多く上がっています。優先すべきはやはり「待機児童の解消」と、そのための「保育士の確保」なのです。
政府は、これまでも保育士確保のために処遇改善を行ってきましたが、現在も保育士不足は続いています。
キャリアアップ研修は政府も積極的に受講を促しているので、これからも制度内容が変わっていくことが期待できます。
今後も政府の打ち出す処遇改善の動きを小まめにチェックしましょう。
より良い条件で働くために
処遇改善は、保育士の収入に直結する大事な問題です。賃金アップとキャリアアップの2つが今後も大きな柱となりそうですね。
保育園の判断で配分されるものだからこそ、補助金の使い道やキャリアアップについての説明がきちんとされる保育園への就職が望ましいですね。
もし、いま働いている保育園での給料アップが見込めない場合は、転職も視野に入れてみましょう。
「やりがいをもって長く仕事を続けたい」と思う方は、保育士の処遇改善に力を入れている保育園の求人を積極的に探してみてくださいね!
保育園の判断で配分されるものだからこそ、補助金の使い道やキャリアアップについての説明がきちんとされる保育園への就職が望ましいですね。
もし、いま働いている保育園での給料アップが見込めない場合は、転職も視野に入れてみましょう。
「やりがいをもって長く仕事を続けたい」と思う方は、保育士の処遇改善に力を入れている保育園の求人を積極的に探してみてくださいね!
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