保育園では、「給食」や「おやつ」さらに乳児の「離乳食」を出すこともあり、子どもの成長に合わせた食を提供しています。特に認可保育園では調理室の設置が義務付けられているため、食事の提供は必須です。

献立は、基本的に栄養士が作成し、調理師の仕事内容は、調理全般として以下になります。

・食事・おやつの調理
・栄養管理
・安全・衛生管理
・食材の発注手配・納品チェック
・食器の洗浄・清掃
・子ども・保護者とのコミュニケーション

保育園では調理だけでなく、子どもたちと触れ合ったり、保護者への食についてのおたよりを作るなど、保育士と協力して食育活動に参画することも多いです。

保育園の調理スタッフとして働くには、調理師の免許がなくても可能です。ただし保育園によっては、有資格者を配置する規定を設けているところもあるため、調理師免許を持っている方が採用されやすいでしょう。

免許がない場合は、調理補助としてパート・アルバイトの求人があり、調理師のサポートとして仕込みや簡単な調理、配膳・食器の洗浄・清掃などを行います。

いずれ調理師免許を取りたいと思う場合は、調理スタッフとして2年以上勤務していると、調理師の受験に必要となる「2年以上の実務経験」を積んだことになり、働きながら調理師免許を目指すこともできます。　　　　　

調理師の仕事は、衛生面・安全面の厳重な配慮は当たり前ですが、保育園の場合は、離乳食を含む多種多様な献立の中で、子どもの状況に合わせた調理が必要になります。

特に子どもには、アレルギー対応も重要になるため、保護者と連携して個別の献立の提供も必要になるなど、食事の提供には細心の注意が必要です。

また、園の規模にもよりますが、大量の調理をすることがあり、高温多湿の環境や立ちっぱなしになることも多いため、体力勝負の仕事でもあります。

保育園で食事を出すのは、子どもの発達に必要な栄養を、バランスよく提供することの他にも、食事を一緒に楽しむこと、マナー・生活習慣のしつけ、色々な食材に触れる経験をさせるなど、食を通して心身を成長させるという目的があります。

保育園の調理師は、一般的な調理師とは違う面の配慮など大変さはありますが、子どもたちの食事を作る楽しさや、給食やおやつを笑顔で食べてくれる姿、「おいしい～」と言ってくれることが喜びだという声が多いです。

食育活動に力を入れている保育園も多く、調理師は子どもたちが健康にすくすくと育つための大切なサポートをするという、やりがいを感じられる仕事だと言えるでしょう。

保育園の調理師の待遇は、園によっても異なりますが、正社員の場合は、賞与、昇給、各種保険完備、有給制度など好待遇を得られることが多いようです。

公立保育園と私立保育園では違いがありますが、年収ベースでは、私立で300万円以上、公立では500万円程が見込めるなど、比較的高収入を得られる可能性が大きいです。

アルバイト・パートの場合は、時給1000円前後～1300円程が多いようですが、調理師免許がある場合は資格手当がつくこともあります。

一般の飲食店とは異なり、子どもたちのための調理なので、女性は育児や家事の経験が活かせるなど働きやすいと言えるでしょう。　　

保育士に比べると、調理師や調理スタッフの求人数はそれほど多くないようですが、保育園には必ず調理スタッフが必要なため、退職者が出れば求人を出しています。

特に、年度末の時期に向けて1月～3月に求人が多くなります。また、新設のオープニング保育園は狙い目です。まとまった人数の募集をするため採用されやすいでしょう。

その他にも、女性が多い職場のため、産休などで欠員が出るなど、年間を通して募集があるとも言えます。求人情報は、保育士専門の求人サイトで常にチェックしてみましょう。

調理師が活躍できる場は飲食業界だけでなく、保育園の調理師という道も検討してみてはいかがでしょうか？