保育士の離職率を全国平均や他業種、勤続年数などで比べてみます。

＜全国との比較＞令和元年

日本全体の常用労働者の離職率	15.6％
保育士の離職率	9.3％
公立保育士	5.9％
私立保育士	10.7%

保育士の離職率は、公立と私立どちらも全国平均と比べて低めです。

＜他業種との比較＞令和元年

宿泊業・飲食サービス業	33.6％
教育・学習支援業	17.7％
電気・ガス・熱供給・水道業	15.4％
医療・福祉 (保育士が含まれるのはこちら）	14.4%

保育士が該当する医療・福祉の業種に離職率も、全体でみるとそう高くはありません。

＜平均勤続年数＞医療・福祉の業種に着目

保育士	7.8年
幼稚園教諭	8.2年
看護師	8.2年
福祉施設介護員	7.1年

医療・福祉の分野を職種ごとにまとめたものです。保育士の平均勤続年数は幼稚園・看護師と比べ短いですが、そう大きな違いがないことがわかりますね。

離職率を全体で見てみると、保育士が特別目立って高いわけではありませんでした。
にもかかわらず、保育士の離職率が高いイメージはどうしてなのでしょうか。
考えられる理由をいくつかあげてみました。

①待機児童問題・保育士不足が話題
近年では、この待機児童と保育士不足の問題がたびたび話題になっています。いまも保育士は足りないのは事実です。
これらの話題を耳にするうちに、離職率が高いイメージが付いてしまったことが考えられます。
保育士の離職率が全国平均を下回っているのを考えると、待機児童や保育士不足といった問題が離職率に直結しているわけではないと考えた方が良いでしょう。
実際には、保育施設で働く保育士は過去5年間で11万人以上も増えていますが、増えていく施設に保育士の人数が追いついていないというのが現状です。

②他業種への転職者が多い
厚生労働省の統計（令和2年）では、保育士を転職する人のなかで、3割は他業種への転職ということが分かっています。
退職理由として多いのは「人間関係」「給与面」「業務負担」です。
ほかの保育園に移っても悩みの根本が解決しないと考え、保育士そのものを辞めたいと考える人が多いことや、女性の割合が多く結婚・出産をきっかけに専業主婦になる人が多いなどの背景も関係しています。
このような理由が、離職後の復帰が低くなる要因の一つです。潜在保育士の人数も年々増えています。

どのような職種であっても、つらい条件が揃ってしまうと辞めたいと思うのは当然です。
反対に、保育士でいえば人間関係や給与、仕事の負担などの希望に沿う職場を見つけることが大切と言えます。長く働き続けるためにも、ミスマッチは防ぎたいものですね。

職場選びは、どのような点を意識して探すとよいでしょうか。求人の確認や、面接・見学の際に見るべきおすすめポイントはこちらです。
・職員の人数（ゆとりある人数配置になっているか・負担が大きくないか）
・福利厚生（昇給の仕組み、残業の有無）
・人間関係（保育士の表情や職員同士のやりとりなど）
・保育方針（どのような保育内容か・どんな関わり方をしているか）

保育士の離職率はそう目立って高いわけではありませんが、離職する人がいるのは本当です。求人を探す段階から、長く続けていける保育園を探していけるとよいですね。

保育boxでは希望の条件に合った園を検索できたり、園の雰囲気を詳しく知ることができます！
少しでもミスマッチを防げるよう、条件を絞りながら自分に合った保育園をお探しください。

参考）雇用動向調査結果の概況（令和元年）
保育士の現状と主な取組（令和2年）

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