どんな職種でも、人間関係には多くの方が頭を悩ませています。それは、保育士も同じです。
実際に、厚生労働省の調査でも保育士の退職理由の上位に、人間関係が上がっています。

＜保育士の退職理由（令和元年公表）※複数回答あり＞

世間の印象が強い「低賃金」「忙しい」という理由以上に、実際に辞める方の理由には「人間関係」が多いことがわかります。

参考）厚生労働省「保育士の現状と主な取組」

人間関係に悩むこと自体は、めずらしいことではありません。しかし、保育士で人間関係に悩む方の中には、保育士ならではの悩みを持っている場合が多く見られます。

■クラス運営にはチームプレイを多く求められる。
　保育士一人ひとりの仕事が分かれておらず、誰かと一緒に過ごす時間が多いのが特徴です。
　そのため、性格の不一致があっても、避けられないのが難点です。また、保育方針や意見が食い違っていても、相手が上司なら我慢しなくてはいけないケースが多くあります。

■普段は子どもと職員のみの空間で、やや閉鎖的。
保護者がおらず、誰の目もない時間ではイライラがそのまま表れてしまう方がいます。
職員同士の会話が荒かったり、子どもに対して強い関わりになってしまうことも。
また、誰も見ていない場所で上司から無理難題を言われても、助けを求められなかったというケースもあります。

保護者との人間関係の悩み
■悩み
・対面する時間が短く人間関係が築きにくい。
・クレームとなって、いきなりの大事となるケースもある。

■改善
・とにかく顔を合わせ、笑顔で声をかける。
・連絡帳をまめに記入する。
・プラスの出来事からたっぷりと子どもの様子を伝えていく

会話するタイミングが少なく、信頼関係を築けるまで時間のかかる保護者とは、限りある時間で最大限のアピールが必要です。
「なんだか話しにくい……」と悩む方は、無理に会話をするのではなく、挨拶で笑顔を意識し、連絡帳への記入を具体的にすることから初めてみましょう。
相談やクレームはけして1人で対応せず、早い判断で上司に相談するのがおすすめです。

同僚、先輩後輩との人間関係の悩み
■悩み
・（先輩側の悩み）後輩にどう指導していいのか分からない。上司と後輩との板挟みなど。
・（後輩側の悩み）先輩に相談しづらい。仕事で悩み、先輩とも上手くいかない状況が続くと辞めたいと思ってしまう。

■改善
・雑談でもいいので、会話を増やしていく。
・サポートしてもらった時は、感謝やお礼の言葉をしっかりと伝える。
・自分が違っていた時は素直に謝る。
・適度な距離を保つ

話すタイミングの少ない保護者とは異なり、一緒に過ごす時間が長いことで生まれる問題が先輩・後輩との悩みの特徴です。
「ありがとうございます」「お願いできますか？」など、やり取りの言葉はしっかりと相手に伝え、年齢問わず敬意の気持ちを持って接しましょう。
仕事上、ある程度のコミュニケーションは必要ですが、無理に仲良しになる必要はありません。
どうしても合わない場合は、割り切りながら向き合う判断も必要となります。

責任者との人間関係への悩み
■悩み
・上司以上に意見や不満を言いづらい。
■改善策
・1人で解決しようとせず、同僚や上司に相談してみる。
・保育園全体の問題として話題にあげてみる。
気軽に意見を言えない園長や責任者との人間関係で悩む場合は、1人で解決するのは難しいでしょう。
職場内での立場や、別な方向への影響を考えると、行動を起こすのは困難ですよね。
まずは、職場内に同じような悩みを抱える方がいるかどうか探してみましょう。
また、信頼のおける先輩や同僚に相談してみてください。同じ気持ちでいる仲間が多い場合、保育園の問題として話題にあげられるケースがあります。

人間関係で悩むと、ストレスが溜まるばかりか仕事に集中できなくなりますよね。
相手に変わってもらうのが一番ですが、同時に自分から改善していく工夫も大切です。
相手が誰であっても「笑顔」「素直な感謝」「明るく丁寧」を忘れずに、気遣いあるコミュニケーションを心がけましょう。そして、もしこじれてしまった場合も、じっくりと解決策を試してみてくださいね。

それでも解決が難しい場合は、保育士を辞めたくなってしまう前に方向転換が必要です。
保育士が向いていないのではなく、たまたまその職場が合わなかったのかもしれません。新しい環境で、イチから人間関係を築くのも有効な手段です。

新しい一歩を踏み出す際は、ぜひ求人数が豊富な保育boxをご利用ください♬

秋田 パート｜ 所沢市｜